今回は北欧デザインの象徴ともいえる「Artek(アルテック)」についてです!
フィンランドの豊かな自然と機能美を追求したデザイン哲学が融合し、数多くの名作を生み出してきました。今回は、Artekの創業秘話から現代に至るまでの歴史、デザインコンセプト、代表的な作品について詳しくご紹介します。
創設の歴史
Artekは1935年、フィンランドのヘルシンキで創業されました。
創業メンバーは、著名な建築家でありデザイナーのアルヴァ・アアルトとその妻アイノ・アアルト、
アートコレクターのマイレ・グリクセン、そして歴史学者のニルス・グスタフ・ハールです。
彼らは、「アートと技術の融合」を目指し、ブランド名もそのコンセプト通り、
「Art(アート)」+「Technology(技術)」= “Artek” としました。
創業当時のフィンランドは、モダニズムが台頭していた時代。機能的で美しいデザインを提供することを目的としたArtekは、初期の作品であるスツール60やアームチェア41 “パイミオ”で、
そのシンプルさと機能性から瞬く間に人気を博しました。
代表的な作品
Artekの代表的な作品として、まず挙げられるのは「スツール60」です。
このシンプルなスツールは、アルヴァ・アアルトの代表作であり、彼のデザイン哲学が凝縮されています。三本の脚と円形の座面というシンプルな構造ながら、その機能性と美しさから世界中で愛されています。
アルヴァ・アアルトのスツール60についてはこちら
次に紹介するのは「アームチェア41 ‘パイミオ’」です。
この椅子は、フィンランドのパイミオ療養所のためにアルヴァ・アアルトによりデザインされました。軽やかで有機的なフォルムは、結核患者が呼吸しやすいように考慮されたものです。
流線型柔らかな曲線のデザインは、見た目の美しさだけでなく、座り心地の良さも追求されています。
もう一つの代表作は「アアルト・ベース」です。
このベースは1936年にこれまたアルヴァ・アアルトがデザインしたもので、波打つような独特の切株のような形状が特徴です。こちらもArtekのアイコンのようなデザインの一つです。
フィンランド語で「Savoy(フィンランドのレストラン)ベース」とも呼ばれるこの作品は、1937年のパリ万国博覧会でも発表され、瞬く間に注目を集めました。
アアルト・ベースは、どんな花を生けても美しく見せるデザインであり、その芸術性と機能性が評価されています。
現代におけるArtek
現代においても、Artekは北欧デザインの象徴として多くの人々に愛されています。シンプルで機能的なデザインは、ミニマリズムが注目される現代のインテリアデザインにも大きな影響を与えています。また、Artekはグローバルに展開しており、世界中のデザイン愛好者に支持されています。
さらに、Artekは持続可能なデザインを追求しており、環境に配慮した素材選びや製造プロセスを導入しています。これにより、未来の世代にも愛され続けるブランドであり続けることを目指しています。
最近ではストックホルムを拠点とするデザインスタジオ ”TAF” がデザインした、フィンランド語で籠やバスケットを意味する「コリ」シリーズを発表しました。
個人的にはテーブルライトが可愛く一見ランタンのような、でも眩しくないよう計算された
籠状のシェードのデザインが魅力的です。
最後に
創業以来、機能性と美しさを兼ね備えたデザインし続けてたArtek。
アルヴァ・アアルトのデザイン哲学は今なお生き続け、
シンプルでありながらも奥深いデザインが、長く愛される理由ではないかと思います。
意外にもドラマのセットやCMなんかにも多く使用されているので、お目にかかる機会は多いかも!?
ぜひ表参道にあるArtek Tokyo Storeにも一度訪れてみてはいかがでしょうか!